初めてのスピーチ。かなり緊張したなあ。
彬(仮名)君、沙美(仮名)さん、ご結婚おめでとうございます。
私は、彬君の中学時代の同級生で、濱田千歳と申します。
中学時代の同級生と申しましても、私と彬君は、中学当時、それほど仲が良かったというわけではありませんでした。
では、一体いつ頃から今のような親友同士になったのだったか。先日、それを思い出そうとしまして、全く思い出せないということに気づき、実は今、大変困っております。
先ほども申し上げましたとおり、中学時代ではありません。クラスもずっと違っておりました。高校時代は、通う学校自体が違っておりました。そして高校を卒業すると、彬君は東京の大学の方に行ってしまいました。そしてそのころには、確かすでに親友だったのです。
すると、仲良くなったのは高校時代ということになるのでしょうか。思えば高校時代は、みんなで集まってよく遊んでいたものでした。そのころに、いつの間にか仲良くなっていたのでしょうか。しかし、どうして親友なのでしょうか。
彬君の好きなものは、野球と洋画鑑賞と、それとあまり知られていないところでは大の動物好きということで、少年時代には動物園で働くかそれとも獣医になろうかと真剣に考えていたほどです。沙美さんとも、四国内の動物園は殆ど全て一緒に巡ったと聞いております。
そういえば野球も小学中学と野球部員でしたし、これはつい先日のことですが、子供ができたら絶対に野球少年にするんだと、じゃっかん気の早いことを言っておりました。
洋画鑑賞にいたっては、一時期本気で外国で暮らそうと考えていたほどで、学生時代、二人で将来の夢を語っていたときに、自分はヨーロッパに渡って、そこで自分の力を試してみたいんだと、そうあつく語っていた彬君を、今でも鮮明に思い出すことができます。
そう考えてみますと、彬君と接したときに感じるクールな印象とは裏腹に、一度入り込んだらとことんのめり込んでしまうような、そんなあつい一面を伺う事ができるのではないかと思います。
そこの処は、私よりも沙美さんの方がより詳しいのではないでしょうか。
そのような調子で色々と考えておりますうちに、だんだん見えてきたものがありました。
私と彬君とは、クラスが一緒だったということも、ましてや席が隣同士ということもありませんでした。クラブ活動も同じではなかったし、趣味の面も、共通している部分は決して多くありません。ものの考え方、捉え方もそれぞれ違うと、お互いが認識しています。
けれど、結局そんなことではないのだと私は思います。親友としてやっていくのに必要なのは、環境とか、趣味とか、ものの考え方とかではなく、お互いを、どこまで認められるか、その存在を気にかけているか、そして、相手のことを、どれだけ信頼しているか。ただ、それだけなのではないのかと。
そしてそれは、彬君と沙美さんお二人にとってもあてはまるのではないでしょうか。
彼らが共有することになる新たな未来は、二年前に二人が出会ってから今まで、大事に、大切にはぐくまれてきた信頼と、そして愛とともに、これより始まります。
お二人に、ご親族の方々に、そしてご臨席の皆さま方に、彬君の親友として、こんなに良い日、これほど素晴らしい席で次の言葉を言えることを、僕は非常に嬉しく、また誇りに思います。
この度は、おめでとうございます。

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